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コラム「デジタルテクノロジーが組織開発に与える影響とは?」

株式会社ラーニングデザインセンター代表の清宮です。

今回は、現代の組織開発とデジタルテクノロジーについて考えてみたいと思います。

 

突然ですが、テクノロジーは、組織開発にどんな影響をあたえるものでしょう?

 

衣食住全ての情報のデジタル化がエクスポネンシャル(指数関数的)なスピードで進んでいる中、組織のあり方や働き方にも変化がおきていることは間違いありません。

2018年の年末に「組織開発の4つの新潮流とは?」という記事で書かせてもらいましたが、組織開発においても、様々なテクノロジーが利用され始めています。

 たとえば、バイタルデータ

鼓動や目の動き、汗、体温の変化などを小さなセンサーで観測し、社員の状態を図ることが可能になってくるでしょう。従来の自己申告アンケートとはまた異なるフィードバックシステムとなります。また、体の動きを計測することで、組織内の状況を把握することにもなるかもしれません。

 

また、自己申告型アンケート調査としても、パルスサーベイというサービスも増えてきました。従来の、年に数回、何十問に渡る設問に答える従業員満足度調査とは異なり、スマホやPCアプリを使い、日々数問〜10問程度のアンケート実施を通して、従業員の細かな変化を図るツールです。

そしてこうしたHRテクノロジーの進化の先に待っているのが、ビッグデータの活用です。

 

私たちの日々のWEB閲覧履歴や買い物履歴のように、働いている間の自身の心境や状況がデータとしてどんどんストックされていき、そのデータを活用した組織開発の方法が生まれ始めています。

 

オンラインでの活動は、単なるFace to Faceの代替というわけでなく、それ自体が可能性をもっているアプローチかもしれません。

 

あるアメリカの組織開発に関する論文では、上記の状況が進む中で、これからの組織開発チームには必ずデータアナリストが必要になってくるだろうと書かれていました。それは同時に数字に強いODプラクショナーが必要であると言い換えられると思います。

しかし、我々ODプラクショナーは数字が好きではない人が多い、とも書かれていました。これもまた、実感です。ODプラクテショナーのコンピテンシーも変わってくるかもしれません。現在のODプラクテショナーは、人と人の生のふれあいや、交流が好きな人が多く、数値的な分析を得意とする人は少ないような気がします。

そうすると、必要とされている以上違う領域から、組織開発に入ってくる人材が増えていく可能性があります。組織開発のもっている、世界観。人間中心や、本来の民主主義は大切なものを、数字を扱うなかで、我々は守っていかなければならないでしょう。

 

冒頭の私の問題意識に立ち戻りますが、時代の流れがデジタル化に突き進む中で、組織開発に携わる私たちも、いま、この状況と向き合い、最先端を捉え、組織開発の未来の糸口を掴むことはとても重要です。

 

今回Meet Up OD×Tech〜デジタル化は職場を活性化するのか〜と題してセミナーを開催しました。テクノロジーと組織開発について考える上で、HRテクノロジーコンソーシアムの理事である丸島美奈子さんと、マレーシアを拠点に世界中のメンバーとネット上で組織を作りプロジェクトワークを行っている田原真人さんにお話をして頂いたので、その内容をお伝えしていきます。

デジタルの切り開く、新しい組織開発を皆さんと考えられればと思います。

 

テキスト:清宮普美代